STORY / ストーリー

事案3 予告(2011.02.04 O.A.)

 横浜の雑居ビルの空き店舗で外食企業・ベイホールディングスの専務・胡桃沢忠行(松田ジロウ)の刺殺体が見つかった。胡桃沢はそこに新たなチェーン店を開く予定だったらしい。現場に向かっていた富樫正義(高橋克典)は、付近の店舗の物置に東南アジア系の少年(本川嵐翔)がおびえた様子でうずくまっているところを見かける。その子の保護を女性警察官たちに頼み、捜査に向かう富樫。

 第四係の面々が揃い、現場検証が始まった。だが、その途中で富樫が突然走り出し、飯沼玲子(内山理名)も後を追って行ってしまう。部下たちの勝手な行動に、苛立つ係長の里中啓一郎(小泉孝太郎)。当の富樫は、現場のビルの入り口付近で貝のネックレスが入った紙袋を発見、あの少年が同じネックレスを下げていたことに気づき、女性警察官らのもとへと走ったのだが、少年はすでに逃げ出してしまっていた。彼は事件の目撃者かもしれない…。富樫と玲子はなんとか少年を捜し出したものの、彼は堅く口を閉ざしていた。もし不法入国だとしたら署で保護することはできないため、富樫は自宅に少年をかくまうことに決める。

 一方、捜査本部は怨恨の線で捜査を進めていた。胡桃沢は3年前から社長の篠崎光代(RIKACO)の右腕として業績を著しく伸ばしてきたやり手だったが、乱暴な乗っ取りを重ね、あちこちで恨みを買っていた。光代によると、胡桃沢は独断で動くことが多く、最近では大手外食チェーンとトラブルが発生。暴力団員風の男から脅迫まがいの電話もあったという。そこで里中は胡桃沢とトラブルがあった大手外食チェーンの会長・立石文彦(岡田正典)のもとを訪れ、単刀直入に事件について聞こうとする。だが、その愚直なほどにまっすぐな態度が立石を怒らせてしまい、ひいては彼と繋がりのある大物代議士から県警警務部長の前島(村上弘明)に、抗議の連絡が…。すぐさま里中に脅しとも言える忠告を与える前島。

 その頃、富樫たちは元入国ブローカーの重松実(野添義弘)を脅し、男の子の身元を調べ上げていた。男の子はタケルという名で、父親は日本人。一年前、母親と共に日本に密入国したものの、半年前に母が病死。身寄りがなくなってからは、母と同郷のホステス女性たちがなんとなく面倒を見ていたという。ホステスたちの話によると、タケルは最近、品のいい女性と公園でよく遊んでいたらしい。さらに、タケルはその女性から、ベイホールディングスの系列会社で売っているお菓子をもらっていたことが分かる。

 それを聞いた里中は、その女性は光代ではないかと言い出す。事件現場に落ちていた貝のネックレスはお菓子のお礼として渡そうとしていたもので、タケルは光代が胡桃沢を殺害するところを目撃していたのかもしれない。そう推測する四係の面々。里中は、タケルを光代に会わせるよう提案するが、富樫は光代に正面からぶつかる前に、裏を取るべきだと反対する。しかし、前島に早急な事件解決を望むと言われていた里中は、独断で光代に会いに行くと、タケルの写真を突き付け、彼を知っているのではないかと問いただす。さらに、光代が胡桃沢を殺害した犯人ではないか? 光代の謎に包まれた過去に、胡桃沢殺害の事情が隠されているのではないか?と続ける里中。すべてを否定する光代だったが、里中が帰った後、屋上で苦渋の表情を浮かべていた…。

 一方、富樫もタケルに光代の写真を見せ、話を聞き出そうとしていた。何も答えないタケルだったが、「この人が刺すのを見たのか?」という質問には首を振る。そこへ、富樫の娘・のぞみ(宮武美桜)がジュースを運んできた。その途端に怯えはじめ、ジュースを払いのけるタケル。のぞみが手首にパワーストーンをしていることに気づいた富樫は、昼間もタケルがパワーストーンをしていた津上譲司(八神蓮)を見た途端に逃げ出したことを思い出す。そこに、玲子から光代がビルの屋上から転落死したとの連絡が入る!

 深夜の霊安室で光代の遺体と対面する富樫と里中。罪悪感に苛まれる里中は、何も言わない富樫に「勝手な行動をした私を責めたいんじゃないか!」と激昂。そのとき、光代の部下である古川勝也(矢嶋優作)と池ノ上義男(緒形幹太)が霊安室に入ってくる。光代の突然の死を悲しむ二人だったが、富樫は池ノ上の手首にあるパワーストーンを見逃さなかった。

 山下学(平山浩行)の調査で、光代には17年前に外国人男性の子どもを妊娠、出産したものの、その男性と別れたことが原因でノイローゼ状態になり、育児放棄した過去があったことが判明する。しかも施設に預けられた子どもは半年後に病死してしまったのだという。光代は、死んだ我が子とタケルをだぶらせていたのだ。胡桃沢はそんな光代の過去を知り、彼女を脅迫していたのかもしれない。となると、やはり胡桃沢殺害の犯人は光代で、追い詰められたことで自殺したのではないかと推測する柴田安春(鈴木浩介)に、真犯人は別にいると言い放つ富樫。

 富樫はタケルを光代が死亡した場所に連れていくと、「お前が黙りこくっている間におばさんは死んだんだ。仇を打てるのはお前しかいない」と言い、真犯人逮捕の協力を要請。タケルを使って、オフィスから出てきた池ノ上を裏通りにおびき寄せると、池ノ上をビルの屋上へと連れて行く。そこには富樫だけでなく、玲子、柴田、山下の姿もあった。犯行を否定する池ノ上に、「いちばん簡単なのは、お前に自殺してもらうことだ」「実況見分中にいきなり飛び降りた。それで終わりだ」と言い、池ノ上の両腕を掴むと、屋上の端へと運び、落とそうとする柴田と山下。観念した池ノ上は、光代に胡桃沢殺害を持ちかけたこと、胡桃沢を刺したのは自分でその現場をタケルに目撃されていたこと、自首すると言い出した光代を屋上から突き落としたことを白状する。池ノ上を連行してきた富樫たちを港町警察署で出迎えた里中は、「なぜそこまでやれるんだ?」と富樫に問いかけるが、富樫は何も答えず…。

 翌日、一連の事件について前島に報告する里中の姿があった。自分のせいで光代が殺されたことを反省する里中に「君のおかげで犯罪者同士が殺し合ってくれて、無駄な裁判の手間が省けた」と答える前島。さらに、街の掃除をするようにと言われた里中は、入国管理局と共に不法滞在者らの検挙に乗り出す。その中にはタケルの姿もあった。駆けつけた富樫に、「ありがとう」と告げるタケル。走り去るパトカーを見送る富樫の目には、光るものがあった…。

  • 篠崎 光代(RIKACO)
  • 池ノ上 義男(緒形 幹太)