STORY / ストーリー

事案1 おさらい(2011.01.21 O.A.)

 横浜の繁華街近くにある運河で、若い女性の刺殺体が見つかった。いち早く現場に駆け付けたのは、所轄の横浜港町署刑事課第四係、富樫正義(高橋克典)飯沼玲子(内山理名)柴田安春(鈴木浩介)山下学(平山浩行)の4名の刑事。富樫は遺体を引き揚げると、そのポケットから何かを見つけ、自分の上着に隠した。玲子たち3人はそれに気づいているにもかかわらず、見て見ぬふりを決め込む。その直後、県警本部捜査一課の刑事たちが到着。四係の面々はすごすごとその場から立ち去るが、密かに独自の捜査を開始する…。

 3日後、その四係に新しい係長・里中啓一郎(小泉孝太郎)がやってくる。里中自身は県警本部長の甥の不正採用を告発したことが原因で所轄に左遷されたと思っていたが、彼を横浜港町署に送り込んだ県警の警務部長・前島隆造(村上弘明)の目的は、富樫ら四係を里中に監視させるためだった。前島は里中に、四係の4人には“よからぬ噂”があることを忠告。彼らは高い検挙率を笠に着て、県警の指示に従わないことが度々問題視されていたが、実は自白の強要、暴力団との癒着、収賄などさまざまな違法行為を疑われてもいたのだ。そして、その事実を調査していた前任の係長・徳永靖(永島和明)は強盗犯人を追跡中、ビルの屋上から足を滑らせて転落死していた…。

 徳永の死は、はたして本当に事故だったのだろうか…!? 警戒しながら新たな部下と対面した里中だったが、意外なことに4人とも人当たりのよい優秀な刑事たちだった。彼らは里中に3日前に起きた殺人事件について、丁寧に捜査状況を報告する。それによると、被害者の女性・緑川麻子(中丸シオン)は、10日後に横浜有数の貿易会社・城東貿易の後継者・田丸由紀夫(窪塚俊介)との挙式を控えていた。婚約者の由紀夫との仲もきわめて良好で、麻子にも由紀夫にも恨みを買う相手はおらず、富樫たちも県警の捜査方針どおり“通り魔的犯行”とにらんで目撃者捜しに努めているという。身構えていた分、彼らの真面目な捜査ぶりに、安心する里中。


 その夜、里中は富樫たち4人から、歓迎会と称した食事に誘われる。一同が話に花を咲かせる中、さりげなく席を外した富樫は、里中に見えないように店の隅で美しい女性から封筒を受け取ると、金を渡す。女性はフリージャーナリストの森川明日香(滝沢沙織)。封筒の中には、城東貿易の取引先リストが入っていた。その帰り道、富樫と二人になった里中は、彼を自分の自宅へと招く。妻の理恵(原田佳奈)の前でも礼儀正しい富樫に、ますます好感を抱く里中だったが、富樫の腕にはめられた高級時計を見て、一抹の疑いを持つ。更に送り際に言われた「捜査中は結婚指輪を外した方がいい」という富樫の言葉が少し気にかかる…。

 翌日、玲子と柴田が城東貿易の前で張込みをしていると、建物から出てきた由紀夫の父で会長の幸春(遠藤たつお)に、死んだ麻子の母・信子(大塚良重)が駆け寄ってくる。だが、幸春は信子を冷たく突き飛ばし、倒れた信子は頭を打ってしまう…。玲子らから連絡を受けた里中は病院へ。信子は幸い大事には至らなかったが、気になることを話し出す。由紀夫との結婚式が近づくにつれ、麻子の様子がおかしくなっていったというのだ。二人の結婚に幸春が反対していたため、信子は麻子が殺害された原因は、結婚に関係しているのではないかと疑っているらしい。里中は早速、幸春を呼び出し、事情聴取を行うが、幸春は殺害を否定するだけでなく、里中の部下たちと話はついていると言い出す。

 その部下とは、紛れもなく富樫ら4人のことだった。彼らが里中にしていた報告はすべてでたらめだったのだ。麻子の遺体発見時、富樫が彼女のポケットから取り出したのは、末端価格一千万円の覚せい剤だった。しかし、麻子に薬物反応はなかった。そこで、覚せい剤を持って幸春を訪ねた富樫たちは、幸春から取引を持ちかけられ、金銭を受け取る見返りとして、覚せい剤の件については隠ぺいしたのだという。さらに富樫らは悪びれることなく、幸春が自分たちを買収した理由は、由紀夫の婚約者が大量の覚せい剤を所持していたことを隠したがっているせいだと続ける。しかも、富樫たちは由紀夫と暴力団の繋がりを知る覚せい剤の売人を監禁していた。部下たちの逸脱行為に憤る里中。だが、富樫は打って変わった冷酷な表情で、「オレたちのことを誰にチクろうが構わねぇが、刑事なら連中を挙げてからにしろ!」と、里中に迫る。

 そして、唯一由紀夫に面の割れていない里中が彼をマークすることになった。慎重に由紀夫を尾行する里中。ところが、人気のない道に入った途端、背後から何者かに殴られ、暴力団の連中に取り押さえられてしまう。由紀夫は連中に里中を始末するように言い放つとその場を去って行く。麻子を殺害したのも、由紀夫に頼まれたこの男たちだった。その様子を離れているところから見ている富樫たち。由紀夫に自分を尾行している里中が刑事であることを知らせたのも、富樫たちだったのだ。里中の結婚指輪に気付いた男たちは、「女房はシャブ漬けにして叩き売ってやる」と脅しながら、里中の首を締め上げる…。里中が気を失う直前、ようやく富樫たちが乗った覆面車が現れた!

 由紀夫の取り調べが始まった。由紀夫は悪びれることなく、麻子が覚せい剤の密売に気づき、自首を勧めてきたこと。由紀夫がそれを断わると、覚せい剤を持ち出し、警察に行こうとしたこと。仕方なく暴力団に始末を頼んだことなどを白状する。それを隣の部屋で聞いている里中。すると突然、取り調べをしていた玲子がマジックミラーの前に立ちふさがる。その瞬間、富樫が由紀夫の髪をつかみ、顔面を机に叩きつけた。抵抗する由紀夫に、「法廷で余計なこと喋ってみろ。地獄の果てまで追いつめて殺すぞ」と小声でささやく富樫。慌てて取調室に入ってきた里中に、玲子は由紀夫が逃げ出そうとしただけだと答える。


 富樫たちは暴力団に囲まれた自分を見殺しにしようとした…。それだけでなく、殺されるように仕向けたのではないか。そう詰め寄る里中に、富樫は「あんたはウサギだ。ウサギにハイエナからウサギが守れるのか。ハイエナを倒せるのはハイエナだけだ」と言い放つ。何も言い返せず、結婚指輪を外す里中…。そして、一連の出来事を前島に報告に行くが、前島からは「私が聞きたいのはそんな報告ではない」と突き放されてしまう。「ハイエナどもはみんな死ねばいいのに」とつぶやく前島を前に、困惑する里中で…。

  • 田丸 由紀夫(窪塚 俊介)
  • 緑川 麻子(中丸 シオン)
  • 緑川 信子(大塚 良重)